外壁塗装の“高圧洗浄” 正しいやり方と禁忌|圧力・ノズル・距離・乾燥の基準【宇都宮・栃木】

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更新日:2025-09-06|対象:戸建てオーナー/管理会社/発注担当者

執筆:栃木県塗装の相談窓口 編集部
技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介(現場経験10年以上)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
検証方法:工程写真/洗浄ログ(圧力・ノズル・距離・流量)/乾燥・露点差の記録


結論

  • 洗浄は**“落とす”でなく“剝がす原因を残さない”**工程。圧力×流量×ノズル角×距離を素材ごとに最適化。

  • 上向き噴射・ゼロ度ノズル・濡れた上からの薬剤・乾燥不足の上塗り厳禁

  • 仕上げ塗装のGO/NO-GOは**露点差≥3℃・相対湿度≤85%・木部含水率≤15%**を目安に、TDS(製品技術資料)優先

目的:高圧洗浄で“何を”落とすのか

  • 付着阻害物:チョーキング粉、藻・カビ、生物膜、油分、脆弱旧塗膜

  • 含水・汚染の偏りを抑え、下塗りの密着と膜厚の均一を確保

  • 雨仕舞い(水の流れ)を確認し、浸入リスク部位を把握


準備(安全・近隣・設備)

  • PPE:防水エプロン、ゴーグル、耐切創手袋、滑りにくい長靴

  • 電気対策屋外コンセント・分電盤は養生、漏電ブレーカ確認

  • 近隣配慮:車両・植栽の養生、作業時間掲示、排水経路の確保

  • 設備:圧力計・ノズル角度(15°/25°/40°)・流量10–15L/分の機械(壁面洗浄は**“圧より流量”が効く**)

  • 試し打ち:目立たない面で1㎡テスト→圧力・距離を確定


素材別の“目安”基準

素材/部位圧力(目安)ノズル角距離備考
窯業サイディング(健全)8–12 MPa25–40°25–30 cm目地・小口へ上向き噴射NG
モルタル・吹付8–10 MPa25–40°25–35 cm脆弱部は先に除去→再補修
金属(庇/水切り)6–10 MPa25–40°30 cmサビ部は別途ケレンが主役
木部5–8 MPa40°30–40 cm毛羽立ち注意、含水率管理
コンクリ・土間12–15 MPa15–25°20–30 cm飛散に注意、排水確保
バルコニーFRPトップ6–8 MPa25–40°30–40 cmピンホールがあれば別途補修

Turbo(回転)ノズルは外壁に原則使用しない。脆弱面の穿孔・エッジ破壊リスクが高い。

正しい手順(標準フロー)

  1. 上から下へエリア分割(屋根→外壁→付帯→土間)

  2. 予洗い:低圧・広角で濡らす(粉塵飛散を抑制)

  3. 薬剤洗浄の要否判断(藻・黒カビが強い面のみ)

  4. 本洗浄:素材別の圧力・角度・距離で帯状に一定速度で掃く

  5. 要所の念入り:雨筋・窓下・北面は重ね幅1/3で追加

  6. 十分なすすぎ:薬剤を面外へ押し出す(目地・ドレンも)

  7. 乾燥管理風通し確保→含水/露点差チェック→下地補修→下塗りへ

薬剤洗浄のポイント(必要な面だけ)

  • 藻・カビ:**次亜塩素酸塩 0.1–0.3%(有効塩素)**を目安に作業。乾かさないよう5–10分保持→徹底すすぎ

  • 油性汚れ:中性~弱アルカリ洗剤→すすぎ

  • 絶対NG酸性剤/アンモニアと次亜の混用(有毒ガス)

  • 植栽保護:散水前養生+後洗い流し、金属は薬剤の残留に注意


乾燥・塗装のGO/NO-GO

  • 露点差≥3℃相対湿度≤85%

  • 木部含水率≤15%(含水計が望ましい)

  • モルタル/サイディング表面の色戻り+手触りで粉が付かない

  • 時間の目安:晴れ・風有りで24h、湿潤環境は36–48h(季節・日当たりで調整)

    **最優先は各塗料のTDS。**指定乾燥時間・下地含水の条件があればそれに従う。

“やってはいけない”NG集

  • 上向きに噴射して目地・サイディング小口へ水を差し込む

  • ゼロ度/ターボノズルを外壁に使用(穿孔・脆弱化)

  • 濡れた上から薬剤(薄まって効かない+残留)

  • 薬剤を乾かす(成分固着→密着不良)

  • 夕方の追い洗い→夜露直撃(白化・艶引けの誘発)

  • 乾燥不足で下塗り(膨れ・剝離の主因)

  • 脚立高所の単独作業(滑落・感電)

  • 排水・汚水を放置(近隣や排水設備へ配慮)


見積で“固定”すべきチェック

  • 洗浄方式(純水/水道・薬剤の有無と種類・濃度・保持時間)

  • 圧力範囲・ノズル角・想定距離・流量(素材別に)

  • 施工順序と面分割図(上→下、北面の時間帯配慮)

  • 排水計画(ドレン保護・集水器清掃・近隣配慮)

  • 乾燥の判定方法(露点差・含水率・写真ログ)

  • 工程写真:洗浄前/最中/後で最低15枚

  • 保証の線引き:洗浄起因のトラブル対応可否


よくある質問(FAQ)

Q. 家庭用の高圧洗浄機でも代用できますか?
A. 流量が不足しがちで、汚れは落ちても粉や生物膜が残りやすいです。外壁塗装前は流量10–15L/分級の機材と、素材別の圧・距離管理が安全です。

Q. 次亜塩素酸は必ず使う?
A. 藻・カビが強い面のみ。希釈濃度を守り、乾かさずに十分すすぎます。酸/アンモニアと混用不可。植栽と金属のケアも必須。

Q. 洗浄したら何日で塗れますか?
A. 天候・面ごとに異なります。露点差・湿度・含水率で判断し、晴れ・風有りで24h、湿潤で36–48hが目安。TDS最優先です。

Q. ターボノズルは時短で便利と聞きました。
A. 外壁には非推奨。脆弱化・穿孔・目地破壊のリスクが高く、土間やコンクリ限定が基本です。


まとめ/ご相談はお気軽に

  • 高圧洗浄は**“塗装の密着と寿命”を決める最初の品質ゲート**。

  • 圧力×流量×角度×距離+乾燥判定を数値で管理し、上向き噴射と乾燥不足を避ければ、仕上がりは安定します。

  • 当社は洗浄ログ(圧・距離・ノズル)と露点差記録を提出。無理進行はしません。

最短当日OK:無料相談・100円診断

  • 診断:洗浄の要否・薬剤の必要度・乾燥見極めを写真+チェックでご提示

  • 提出:48時間以内の簡易報告書(工程・仕様・概略スケジュール)
    所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881(9:00–18:00)
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監修・編集情報/免責

  • 企画編集:栃木県塗装の相談窓口 編集部

  • 技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介

  • 所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881

  • 更新日:2025-09-06

本記事は一般的な情報提供です。実作業は現地条件と各製品TDSに従い、高所・電気・薬剤は専門家へご相談ください。


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