更新日:2025-09-07|対象:戸建てオーナー/管理会社/発注担当者
執筆:栃木県塗装の相談窓口 編集部
技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介(現場経験10年以上)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
検証方法:小口の吸水テスト(滴下法)/含水率・露点差ログ/下端クリアランス・役物納まりの現調記録
結論
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塗装を長持ちさせる最大のコツは「小口(端部)に水を入れない」こと。
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下端・切断面・目地端の吸水を封じるために、**浸透型下塗りの“面出し塗り”+条塗り(ストライプコート)+適正なシーリング構造(二面接着)**を徹底する。
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GO/NO-GOは**露点差≥3℃/RH≤85%/木部含水≤15%**を目安に、各製品TDS(技術資料)を最優先。
なぜ“小口吸水”が危ないのか
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サイディングの切断面(小口)や端部は、表層より毛細管吸水が大。
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ここから入った水は塗膜裏で膨れ・白化・早期チョーキングを招く。
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下端クリアランス不足や目地の三面接着も滞水と割れの原因に。
寿命は表面の上塗りグレードより、**端部の処理と“水の逃げ道”**で決まります。
現場でできる「小口の吸水テスト」
道具:スポイト(水道水)、タオル、ストップウォッチ
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小口を清掃→1mL程度の水を点置き
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吸い込み完了までの秒数を計測
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目安(現場基準):
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60秒以上:良好(浸透下塗り1回+条塗りでOK)
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20–60秒:要強化(浸透下塗り2回+条塗り)
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20秒未満:要補修/交換検討(欠け・層間剝離の疑い)
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※メーカー基準があればそちらを優先。テスト後は必ず十分乾燥。
正しい「端部処理」5ステップ(標準フロー)
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下端クリアランスの確保
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既存の水切り金物との隙間を確認(目安8–10mm。メーカー図面優先)。
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目詰まり(塗料ダレ・旧シール)は除去して水抜けを確保。
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素地調整(清掃・目荒らし)
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端部の粉化や脆弱部をケレンで除去→脱塵。
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角欠けはエポキシ系補修材で整形(段差は水溜まりの元)。
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浸透型下塗りの“面出し塗り”+条塗り
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浸透シーラーを小口に先行で“含ませる”(面から条塗りで2回目)。
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乾燥後、面全体の下塗りを通常塗布(小口は重ねて染み込ませる)。
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シーリングの構造を正す(目地・開口部)
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撤去→プライマー→新規充填が基本。
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二面接着を守る:ボンドブレーカー or バックアップ材で三面接着を回避。
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小口が露出する開口部は先に条塗り→プライマー→充填。
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上塗りの“ストライプコート”で端部厚みを確保
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上塗りの前に端部へ細刷毛で1往復(条塗り)→その後に面塗り。
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目安の湿膜厚(WFT):上塗り1回あたり70–100μm(製品TDS優先)。
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端部塗り残し=毛細管吸水の復活なので最重要ポイント。
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目地まわり:打ち替え or 打ち増しの判断(超要点)
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打ち替え:既存が硬化・口開き・バックアップ不良→撤去が原則
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打ち増し:応急のみ。下地の動きに追従できず、早期剝離のリスク
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**プライマーの“開放時間”**を厳守(指触乾燥〜規定時間内に充填)
端部で起きがちな不具合と是正
| 症状 | 主因 | 是正 |
|---|---|---|
| 端部の白化・艶引け | 乾燥不足/露点差不足/毛細水 | 乾燥延長→条塗り→上塗り再施工 |
| 下端の膨れ | クリアランス詰まり/小口未封鎖 | 詰まり除去→浸透下塗り増し→再塗装 |
| 目地割れ | 三面接着/プライマー不良 | 撤去→二面接着に改修→充填 |
| 端部の早期チョーキング | 薄膜/ストライプ不足 | 端部優先でWFT確保→再塗装 |
“やってはいけない”NG集
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小口が濡れたままの下塗り・シーリング
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酸性シリコーンの使用(塗装不可・密着不良)
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三面接着(バックアップ材なしのベタ打ち)
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上向き噴射の高圧洗浄で目地・小口に水差込
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下端の水抜き穴やクリアランスを塗料で塞ぐ
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上塗りで端部の条塗りを省略(塗り残し)
見積で“固定”すべきチェック
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下端クリアランスの数値(mm)と是正の要否
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浸透型下塗り:製品名/回数(小口は増し)
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シーリング:撤去方式/二面接着の仕様(バックアップ材・ボンドブレーカー)/プライマー開放時間
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上塗り:端部ストライプコートの有無/規定塗布量・WFT
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工程写真:下端・小口・目地のBefore/下塗り条塗り/充填/上塗り条塗り
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GO/NO-GO基準:露点差・RH・含水率の数値
3分セルフチェック(家の前でOK)
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サイディング下端に塗料のダレ固まりがあり、水が抜けにくい
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目地にヒビ/触ると粉が出る
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窓まわり(開口部)のシールが壁面から剝がれて隙間
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北面の下端が藻で常時湿りがち
→ 2つ以上当てはまれば端部処理の是正が必要。写真+数値での診断をご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 小口だけを先に“防水剤”で止水すれば十分?
A. 浸透下塗り+上塗りの系統内で設計するのが安全です。系外材は塗装の付着阻害になることがあります。
Q. クリヤー仕上げでも条塗りは必要?
A. 必要です。 クリヤーは特に端部の薄膜で劣化が早いため、小口先行の条塗りで厚みを確保します。
Q. 打ち増しでも大丈夫なケースは?
A. 応急(短期)に限られます。基本は打ち替え+二面接着。可動・劣化が進んでいる目地は撤去が原則です。
Q. 端部ストライプってどう見分ける?
A. 完了写真で端部に細刷毛の塗り跡があるか、WFT計測の記録があるかを確認。端部の塗り残しがゼロならOKです。
まとめ/ご相談はお気軽に
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端部・小口の“水の管理”が塗装寿命の決定因子。
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浸透下塗りの条塗り→二面接着→上塗りの端部ストライプで毛細管吸水を遮断し、膨れ・白化を予防します。
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当社は写真と数値(クリアランス・WFT・露点差・含水率)で可視化し、無理進行はしません。
最短当日OK:無料相談・100円診断
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診断:小口吸水・端部処理の不具合を写真+チェックで判定
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提出:48時間以内の簡易報告書(是正案・工程・概略スケジュール)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881(9:00–18:00)
Web:栃木県塗装の相談窓口
監修・編集情報/免責
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企画編集:栃木県塗装の相談窓口 編集部
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技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介
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所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
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更新日:2025-09-07
本記事は一般的な情報提供です。最適な仕様は現地条件・各製品TDS(技術資料)を最優先してください。高所・電気・構造に関わる作業は専門業者へ。
栃木県塗装の相談窓口
住所:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8
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