ハウスメーカー住宅の塗り替え注意点|目地幅・特殊部材・保証連携の実務【宇都宮・栃木】

query_builder 2025/09/21

更新日:2025-09-21|対象:ハウスメーカー(HM)住宅にお住まいの戸建てオーナー/管理会社

執筆:栃木県塗装の相談窓口 編集部
技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介(現場経験10年以上)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
検証方法:図面・仕様書の照合/目地幅・深さの実測/下地の付着試験(クロスカット/水切り試験)/露点差・含水の当日ログ


結論

  • ハウスメーカー住宅は専用部材・特殊仕上げ・広い目地設計が多く、一般住宅の要領で塗ると保証や耐久でつまずきがち

  • 見積前に**「メーカー・シリーズ・築年・仕様書・保証書」を確認し、目地幅/深さ・バックアップ材・水切り納まり数値で把握**する。

  • 親水コート・無機/フッ素系の低エネルギー表面には付着促進の下地設計(研磨+適合プライマー+洗浄手順)が必須。

  • 保証連携は、HM窓口への事前相談→影響範囲の書面確認→工程写真と数値ログの保存が基本。


なぜHM住宅の塗り替えは“難しい”のか

  1. 特殊部材・役物が多い

    • 一体型水切り、専用コーナー材、通気見切り、ハットジョイナー等。分解・再組立や互換部材の有無を事前に確認。

  2. 目地幅・深さが標準より広い/深い

    • 10〜20mm幅・深さ20mm級も。三面接着のリスクが高く、**二面接着(バックアップ材/ボンドブレーカー)**の厳守が必要。

  3. 工場塗装の高耐久仕上げ

    • 親水/無機/フッ素などは低表面エネルギー密着しにくい付着試験→プライマー選定が前提。

  4. 保証・点検の体系が独自

    • 独自の点検周期・保証条件があり、第三者施工の影響が生じる場合あり。事前連携が必須


見積前チェックリスト

  • メーカー名・住宅シリーズ(例:◯◯ハウス△△)

  • 築年/前回メンテ年外装材の品番(図面・仕様書・検査済証の添付)

  • 外壁の仕上げ種(親水・無機・フッ素・意匠サイディング等)

  • 目地の実測:幅__mm/深さ__mm、バックアップ材の有無開口部周りの構造

  • 水切り・通気見切り・下端クリアランス(水の出口が生きているか)

  • 雨仕舞いの弱点(笠木・庇・入隅・サッシ下端)

  • 保証書の対象範囲(雨漏り/構造/外装材/塗膜)と第三者施工時の条件

  • 地区計画・管理規約(色規制・景観ガイドライン)

  • 露点差・含水・気象GO/NO-GO基準(露点差≥3℃/RH≤85% 目安、製品TDS優先)


目地・開口部:打ち替えが原則、二面接着を守る

  • 広幅目地の要点

    • 撤去→清掃→プライマー→バックアップ材→新規充填打ち増しは応急に留める。

    • プライマーの開放時間を厳守(指触乾燥〜規定時間内)。

    • 開口部は三面接着NG。ボンドブレーカーで二面接着化。

  • よくある躓き

    • 目地底にボード小口露出条塗り(浸透シーラー)を先行し毛細吸水を止める

    • 上向き洗浄で水の差し込み→低圧・高流量+上から下の洗浄に。


表面仕上げが“親水・無機・フッ素”の場合の下地設計

  1. 洗浄:生物膜→**希釈次亜塩素酸(0.1–0.3%有効塩素)**保持→徹底すすぎ

  2. 親水膜・撥水分の除去中性洗浄→水切り試験で水が“面で流れる”状態に。

  3. 付着試験:目立たない面でクロスカット研磨(極細目)+適合プライマーの要否を確認。

  4. プライマー選定低エネルギー表面向けまたは金属/難付着面用等、TDSで適合確認

  5. 上塗り:膜厚・乾燥条件を数値で管理(WFT/WFG、露点差、RH)。

ポイント“とりあえず密着良さそう”は禁物。 付着試験とTDS確認がE-E-A-Tの核です。

専用部材・役物の扱い(壊さない&塞がない)

  • 一体型水切り・通気見切り塗膜で塞がない水抜き孔・通気経路を維持。

  • コーナー材・化粧見切り着脱可否互換部材の有無を事前確認。破損時の調達リードも見積に明記。

  • 笠木・庇・手すり板金の重ね代・端末シールの構造を写真で記録。

  • アルミ建材(雨戸・玄関ドア等)素材判定(アルミ/スチール/木/化粧シート)塗らない判断も品質。


保証・点検の“連携手順”

  1. HMメンテ窓口へ事前相談:第三者施工で保証への影響がないか確認。

  2. 必要資料を取得外装材の品番・施工要領書・推奨メンテの写し。

  3. 工事範囲の線引き:塗膜保証/雨漏り保証/構造保証の対象外/対象書面に明記

  4. 工程写真と数値ログ洗浄→下塗→中塗→上塗/シール撤去〜充填最低15枚露点差・RH・WFT/WFG

  5. 引渡し書類製品TDS抜粋・カラー/品番・ロット保証書定期点検スケジュール

※ 本稿は一般的な情報です。最終判断は各HMの規定・約款に従ってください。

“やってはいけない”NG集

  • 保証確認をせずに着工(約款違反の恐れ)

  • 目地を打ち増しで覆うだけ(追従せず早期破断

  • 通気見切り・水抜き孔を塗膜で塞ぐ滞水→膨れ

  • 低エネルギー表面へプライマー無しで直塗密着不良

  • 上向き高圧洗浄目地・小口へ水差し込み

  • 露点差<3℃/RH>85%での塗り重ね白化・艶引け


見積書で“固定”すべき項目

  • メーカー・シリーズ・外装材品番仕様書/TDSの参照

  • 目地幅/深さ(mm)バックアップ材・二面接着の仕様

  • 下地設計:洗浄手順/付着試験の方法/プライマーの製品名

  • 膜厚管理:規定塗布量(kg/㎡)・WFT/WFG測定の実施

  • 水切り・通気の維持塞がない宣言と写真提出

  • 保証の線引き:塗膜/雨漏り/構造、第三者施工時の扱い

  • 工程写真:各工程の最低15枚露点差・RHログ添付


3分セルフ判定(家の前でOK)

  • 外壁に“水を弾く/流す”親水挙動が強い

  • 目地幅が広い(約10mm以上)奥行きが深い

  • 下端水切りの水抜き塗膜で半分塞がっている

  • 窓まわりシールが壁から剝がれ“口開き”
    2つ以上当てはまれば、HM仕様に沿った下地設計・保証連携が必須です。写真+数値で診断します。


よくある質問(FAQ)

Q. HM指定の塗料や業者でないとダメ?
A. 保証条件に左右されます。事前にHM窓口で確認し、影響範囲を文書でもらうのが安全です。

Q. クリヤー仕上げは可能?
A. チョーキングが出ていない意匠サイディング等で可能性があります。下地含水・親水膜の除去・付着試験が前提です。

Q. 目地は打ち増しでも大丈夫?
A. 応急短期なら可ですが、HMの広幅・深目地打ち替え+二面接着が原則です。

Q. 工事中の写真はどのくらい必要?
A. 洗浄→下塗→中塗→上塗/シール撤去〜充填最低15枚、加えて露点差・RH・WFT/WFGなど数値ログが望ましいです。


まとめ/ご相談はお気軽に

  • ハウスメーカー住宅は**“仕様と数値”が命**。目地・下地・付着・通気/排水図面とTDSに基づき設計し、保証との整合を取れば、長持ちで安心。

  • 当社は工程写真と数値ログ(露点差・RH・WFT/WFG)をセットで提出塞がない・無理進行しないを徹底します。

最短当日OK:無料相談・100円診断

  • 診断:HM仕様適合/保証連携の可否目地・下地の数値化

  • 提出:48時間以内の簡易報告書(推奨仕様・工程・概略スケジュール)
    所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881(9:00–18:00)
    Web栃木県塗装の相談窓口


監修・編集情報/免責

  • 企画編集:栃木県塗装の相談窓口 編集部

  • 技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介

  • 所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881

  • 更新日:2025-09-21

本記事は一般的な情報提供です。最適な仕様は現地条件・各製品TDS・HM規定に従ってご判断ください。法的/約款解釈は各社の正式回答が優先します。


----------------------------------------------------------------------

栃木県塗装の相談窓口

住所:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8

大福ビル3F

----------------------------------------------------------------------