更新日:2025-10-05|対象:戸建てオーナー/管理会社/発注担当者
執筆:栃木県塗装の相談窓口 編集部
技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介(現場経験10年以上)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
検証方法:棟・谷・ケラバの実測/野地含水・貫板状態の点検/露点差・RHログ/膜厚(WFT/WFG)記録
結論
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塗装:屋根材が健全(割れ・反りが軽微)で、雨漏り実績がないなら最短・低コスト。
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カバー(重ね葺き):下地が健全だが表層劣化が進行/断熱・遮音も上げたいなら本命。棟・谷・役物を再設計できるのが強み。
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葺き替え:雨漏り・野地腐朽・納まり欠陥があるなら根治策。ルーフィングから刷新して安心を買う。
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判断の軸は①劣化度(屋根材/役物)②下地(野地・ルーフィング)③雨仕舞い(棟・谷・軒先)④希望(断熱・意匠・工期)。写真+数値で決める。
3分セルフ判定(家の前でOK)
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棟板金が浮く/釘が抜け気味(風でカタカタ音)
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谷板金のサビ・穴、雨筋が強い
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スレート割れ・欠けが点在/金属の凹み・塗膜はがれ
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室内の天井に新しい輪染み
→ 2つ以上あれば塗装だけは危険。カバー or 葺き替えの要検討ゾーンです。
金属屋根/スレート屋根の「症状別」分岐
金属屋根(縦葺き・横葺き)
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塗装:表面のチョーキング・軽度サビまで。穴あき・凹み・継ぎ目の浮きは塗装では直らない。
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カバー:野地健全+雨漏り履歴なしかつ形状がカバー適合なら有効。断熱一体材で夏の熱負荷を軽減。
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葺き替え:谷・ケラバの納まり不良/穴あき多数/ルーフィング劣化が見える場合。
スレート屋根(コロニアル等)
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塗装:割れが軽微・剝離小、棟貫板が健全ならOK。
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カバー:反り・層間剝離が点在/棟貫板の劣化が見えるが野地は健全なケース。
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葺き替え:吸水による広範な層間剝離/野地ベコつき/雨漏り歴がある場合。
石綿含有の可能性がある既存材は事前調査と適切な処理が必須です(法令・指針に従うこと)。
方式別の比較(実務要点だけ)
| 項目 | 塗装 | カバー(重ね葺き) | 葺き替え |
|---|---|---|---|
| 目的 | 美観復帰・防錆・防水補助 | 新規屋根材で上書き+断熱・遮音UP | 根治(下地・ルーフィング含め刷新) |
| 条件 | 屋根材健全・雨漏りなし | 野地健全・形状適合・荷重許容 | 雨漏り・腐朽・納まり欠陥あり |
| 役物 | 既存修繕中心 | 棟・谷・雪止め等を刷新 | 全面刷新 |
| 廃材 | 少 | 少(撤去ほぼ無し) | 多(撤去発生) |
| 工期感 | 短 | 中 | 長 |
| 断熱・遮音 | 付加効果は限定 | 断熱一体材で改善 | 下地から最適化可 |
| 相対コスト | 1x | 2–3x | 3–5x |
「塗装」「カバー」「葺き替え」——各方式の正攻法
A. 屋根塗装(スレート/金属 共通)
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高圧洗浄:上から下。ゼロ度/ターボは屋根に基本NG。
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下地処理:スレート割れ差し替え/タスマジック等の補修、金属はST2/3ケレン+防錆。
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下塗り:スレート=浸透シーラー(吸い込み止め)/金属=エポ防錆。
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上塗り:2回。規定塗布量・WFT/WFGを数値管理。
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棟板金:貫板の状態確認→樹脂製貫板+ステンビス推奨。
GO/NO-GO:露点差**≥3℃/RH≤85%/素地含水を把握。夕方の追い塗り→夜露は白化リスク**。
B. 屋根カバー(重ね葺き)
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既存点検:野地たわみ・雨漏り痕なしを確認。
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防水層:高耐久ルーフィング(改質アスファルト等)を全面敷き、立上り150mm以上を基本。
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役物設計:谷は捨て谷+本谷、棟は樹脂貫板+換気棟、ケラバ・軒先は水返し形状。
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本体施工:流れ方向に逃がす納まり。ビスは規定ピッチ。
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納まり検査:水抜き・通気を写真で記録。
適用外:野地腐朽/瓦屋根(形状適合外)/既存が規格外に不陸。
C. 葺き替え
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既存撤去:屋根材・ルーフィングを撤去。廃材分別を明記。
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野地補修:腐朽部の張替え、合板増し張り等。
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防水層:高耐久ルーフィング+貫通部の三次防水。
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役物刷新:谷・棟・ケラバ・雪止めを設計基準どおりに新設。
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本体葺き:金属・スレート・瓦など目的に合う材を選定。
根治策。費用/工期は増えるが雨仕舞いの欠陥改善まで踏み込める。
見落としがちな「雨仕舞い」チェック
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棟:**風の抜け道(換気棟)**が設計上取れるか。樹脂貫板+ステンビスで再発防止。
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谷:捨て谷の有無、雨量の受けに対して幅・勾配が足りているか。
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軒先:水返し形状と鼻隠しとの取り合い。
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貫通部(アンテナ・配管):**三次防水(ブチル・板金・シール)**の層構成があるか。
“やってはいけない”NG集
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雨漏り中に塗装で止めようとする(原因は防水・納まり側)
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野地が弱っているのにカバー(沈み→新規材が傷む)
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棟の釘をそのまま再利用(再浮きの近道)
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谷板金をシール頼みで塞ぐ(詰まり→逆流)
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露点差<3℃/RH>85%での塗り重ね(白化・密着不良)
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石綿の可能性を無視(調査・適切処理は必須)
“見積前”に揃えるべきチェック
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屋根種(金属/スレート)と勾配
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劣化写真:広角→寄り→寸法(棟・谷・割れ・錆)
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屋内の雨染みの有無(天井・壁)
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野地のたわみ(歩行時の沈み感)
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既存ルーフィングの状態(点検口・軒先で確認できるか)
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カバー可否(形状・荷重・規格)
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希望(断熱/遮音/意匠/工期/予算の優先度)
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GO/NO-GO(露点差・RH・下地温度の数値)
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工程写真と数値ログの提出(WFT/WFG・露点差・RH・役物寸法)
ざっくり費用感とメンテ周期(相対比較)
実額は面積・高さ・形状・部材で変動します。目安としてご覧ください。
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塗装:1x/7–12年(材・環境で差)
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カバー:2–3x/15–25年(材・ルーフィング等級で変動)
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葺き替え:3–5x/20–30年(設計・材質次第)
よくある質問(FAQ)
Q. スレートにヒビが数枚あります。塗装で大丈夫?
A. 差し替えや補修で収まる範囲なら塗装も選択肢です。割れが点在・層間剝離が多い場合はカバー寄りです。
Q. 夏の暑さを何とかしたい。
A. カバーで断熱一体材を選ぶのが効果的。塗装の遮熱も一定の効果はありますが、下地・断熱との組み合わせが効きます。
Q. カバーと葺き替え、どちらが“安心”?
A. 雨仕舞いの欠陥があるなら葺き替えが根治。下地健全で納まりが良い家ならカバーで十分なケースも多いです。
Q. 棟板金はなぜ再発しやすい?
A. 木製貫板が湿って痩せる→釘が緩むから。樹脂貫板+ステンビスで改善します。
まとめ/ご相談はお気軽に
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塗装=軽度劣化×雨漏りなし、カバー=中度劣化×下地健全+快適性UP、葺き替え=雨漏り/腐朽/納まり欠陥が基本線。
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決め手は役物(棟・谷)と下地(野地・ルーフィング)。写真と数値で“根拠ある判断”を。
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当社は工程写真・WFT/WFG・露点差ログ・役物寸法をセットで提出。無理進行はしません。
最短当日OK:無料相談・100円診断
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診断:塗装/カバー/葺き替えの最適解を写真×数値で判定
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提出:48時間以内の簡易報告書(仕様案・工程・概略スケジュール)
所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881(9:00–18:00)
Web:栃木県塗装の相談窓口
監修・編集情報/免責
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企画編集:栃木県塗装の相談窓口 編集部
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技術レビュー:施工管理責任者 小林 凌乃介
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所在地:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8 大福ビル3F|電話:028-612-8881
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更新日:2025-10-05
本記事は一般的な情報提供です。最適な仕様は現地条件・製品TDS・設計基準に従ってご判断ください。高所・板金・防水・石綿の取り扱いは必ずご相談ください。
栃木県塗装の相談窓口
住所:栃木県宇都宮市東宿郷3-1-8
大福ビル3F
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